オンラインレッスン(ジャズピアノ)のすすめ -リアルにも負けないその可能性-

東京でジャズピアノレッスンをしています、ジャズピアニストの河野祐亮です。

今でこそよく聞く言葉になった『オンラインレッスン』というレッスンの新しい形。

ただ、ジャズに限らずピアノ教室の多くは「通学レッスン」を採用していて、教室で講師と受講生が直接対面でレッスンを行なっていることが多いと思います。

今回はオンラインレッスンについて紹介をしながら、その変遷や今後の可能性、そして私の行なっているジャズピアノのオンラインレッスンを皆さんに知っていただければと思います。

どうしてオンラインレッスンは普及していったのか

そもそもオンラインレッスンがなぜここまで話題になったのかというと、個人的な推測で申し訳ないですが、おそらくコロナ禍がやってきたからだと思っています。

2020年頃からコロナが流行り出して、三密を避けようだったりなるべく距離を取ってしゃべろうといったキャンペーンが広がったために、従来のピアノレッスンの環境は許されなくなっていきました。特に楽器系のレッスンは講師と受講生の距離は物理的に近くなることも多いです。ピアノのレッスンで言えばピアノの指使いやタッチ、音の出し方、音色はピアノを目の前にした近い位置で聴かないとシェアできない、講師と受講生が何mも離れるとレッスンとして成立しなかったりします(特にクラシックピアノのレッスン)。

そこで生まれたのがオンラインレッスンというアイディアだったのではないでしょうか。別の部屋(例えば教室と受講生の自宅など)で行うことで物理的に距離を取って感染を防ごうという動きから一気にオンラインレッスンが広がっていった気がします。


オンラインレッスン開催のハードル

じゃあ今日からオンラインレッスンコースを開きます、みんなこれからはオンライン上でレッスンをしますよ!と始めたところで「どうやってやるのか」というハードルが立ちはだかり、多くのミュージシャンや講師、受講生たちを悩ませました。

まずそのハードルの1つが「機材」です。

普段スマートフォンで使っているLINE通話のビデオモードでお互いを映しながらレッスンすればいいんじゃないの、と思って気軽にオンラインレッスンを始めてみると意外に上手くいかないことが多いです。例えばお互いにピアノ(楽器)の音がよく聞こえない場合。スマホを楽器の近く(ピアノなら弦の近く)に持っていく。するとピアノを弾く手元は映せないので指使いがお互いに見えない。じゃあ手元を見せよう!として、片手でスマホやタブレットを持って手元を映しながらピアノを弾いてみようとすると「あ!両手で弾けない!」と気づいて講師も受講生も半笑い状態になります。(きっと体験したことある人はあるあると思っていることでしょう笑)

さらにちょっとレベルの高い話で言うと、グランドピアノにしてもアップライトピアノにしてもピアノの良い音を通話してる相手に伝えるには「マイク」や「マイクプリアンプ」「オーディオインターフェース」といったハイエンドなプロオーディオ機器が必要になります。ここは批判覚悟で言いますが周りの知り合いなどを見ていると、ずっとクラシック音楽で演奏活動しているミュージシャンや講師の人たちはこうした機器に圧倒的に弱いです。

※いや、自分はめっちゃ詳しいぞ!何言ってんだお前は!と思っているそこのクラシックミュージシャンのあなた、僕と気が合うと思うので是非友達になってください!

※スタジオミュージシャンやジャズミュージシャンだと「宅録」と言って、自分の自宅で自分の楽器をレコーディングして録音した素材を納品する仕事をしてる人も多いことから、オーディオ機器に詳しいミュージシャンは比較的多いです。


もう1つのハードルが「回線速度」です。

オンラインレッスンでは、映像のダウンロードとアップロードを連続的に行なっています。回線の技術的な部分の説明はとりあえず省略しますが、とにかく回線の速さが担保されていない環境(例えばwifiが無いから携帯電話の電話回線のみのような環境)でオンラインレッスンを行おうとすると、会話が途切れたり演奏中の音がノイズのようになったりします。本当にしょっちゅう相手の演奏に対して「あなたはいま何弾いてるの?」という瞬間が訪れてレッスンになりません。

ということで結局オンラインレッスンの開講を諦める講師も多く、受講生側も当時オンラインレッスンを受講していたけど今は通学レッスンに戻したという方も多いと思います。

オンラインレッスンの様子(当時の使用アプリケーションはSkype)


全身全霊をかけてオンラインレッスンを研究してみると...発見が!

自分のことを話すと、2020年のコロナが流行り出した頃に

「これはしばらく外出できないし、レッスンやライブは通常通りにはできない状況が続くだろう。それならばここはひとつ、真剣にオンラインの可能性を研究してみよう!新しいことを勉強する良い機会だ!!」

と思って徹底的に『オンラインレッスン』を研究や実験をしました。


のめり込むようにオンラインレッスンを研究していくうちに、自分のミュージシャンとしての活動が広がる可能性に気づきました

まず、オンラインレッスンのハードルだった【音について】。自分のグランドピアノにどんなマイクやマイクプリアンプ、そしてオーディオインターフェースやスピーカー、ヘッドフォンを使うと、美しいピアノの音色でレッスンを受講してもらえるのかを徹底的に実験や研究をしました。そんなことを繰り返していると、マイクで音を収音しているのだからこれって録音もできるんじゃないかと考えるようになっていきました。そしてその結果、本当に「レコーディング」にも詳しくなりました。

そこで自分のバンド「河野祐亮ピアノトリオ」の演奏を、オンラインレッスンで用意した機材や勉強した収音知識を駆使してCDを作ってみよう!と挑戦した結果、なんとフルアルバムが完成しました!

河野祐亮ピアノトリオ / フルアルバム「Episode Ⅰ」から人気曲『KAMIHITOE』

いかがだったでしょうか?! 良い音で録音できていると思いませんか?全部私が用意した機材のみで自分自身で録音したものです!

このアルバムの発売を機にライブツアーが始まり、2022年に丸の内Cotton Club(株式会社BLUE NOTE)にリリース記念ライブとして念願の出演を果たしました。あの時に収音技術を研究していなかったらこの出演は達成できなかったと思います。


さらにオンラインでのレッスン業を1年ほど続けていた時に、オンラインレッスンの中で行われている「リアルタイムにハイクオリティで映像や音を受講生に提供する技術や経験」を生かして(そのまま流用して)「配信ジャズライブ」ができることに気づき、2021年から本格的に配信生放送ジャズライブ活動を行なってきました。事情があって外出ができない方や、会場に距離的に来られない方にも楽しんでいただける新しい形のライブ活動になりました。

↓当時の配信ライブ映像↓

河野祐亮ジャズスクールのオンラインレッスンの内容やクオリティについて

さて、ここまで長きに渡ってコロナ禍のオンラインレッスンと私の関係を書いて来ましたが、現在の当教室のオンラインレッスンのクオリティはどんなものか紹介したいと思います。

【音と映像について】は、オンラインレッスンでは正確な音情報を言葉で説明しながらその音を混ぜて伝達するために、あえて「デジタルピアノ音源」を用いてレッスンをしています

※生のピアノの代わりに精度のかなり高いオーディオインターフェイスを使って超高音質のピアノ音源を使って伝達しています。

残念ながらグランドピアノをはじめとした生ピアノにどんなに上手くマイクを立てたり用意していても、その日の湿度や状況でピアノのサウンドは変わっていきます。準備も時間かかりますし、それでいて100%理想のサウンドにするには何度もマイクの位置を変えてサウンドチェックしなくてはいけません。それならデジタルピアノ音源を使うことでパーフェクトピッチで正確な音情報を聴いてもらうことにした方が受講生も安心だと判断しました。そしてさらに映像は、自分の表情と手元とこちらが書いた板書情報をスムーズに画面を切り替えながら説明しています


【インターネット回線】にもこだわっています。こちらの遅延で受講生の視聴している映像や音が途切れないように、日本最速の回線と言われるNURO光を契約、導入しています。最高速度が出る環境にしていますので、回線が混んでいる時間でもこのくらいの速度が出ているので受講生は安心してレッスンに集中できます。

実際のオンラインレッスンのクオリティを体感したい場合は体験レッスンで受講していただくのが一番分かりやすいと思いますが、今回はオンラインレッスンの参考に1分ほどの動画を用意しましたので是非気軽にご覧ください。

↓参考用、オンラインレッスン映像と音のクオリティ↓

最後に 実際オンラインレッスンは通学レッスンと比べて良いのか

私は通学レッスン、オンラインレッスンどちらにも良さがあると思っています。

オンラインレッスンを特に勧めたいのは当教室から遠くにお住まいの方や在宅勤務の方です。ライブツアーで全国を回るとたくさんの方から「私の街にはジャズピアノを教えてくれるスクールが無い」と言う話を聞きます。またオンラインレッスンの受講生の皆さんからは「せっかくの機会だからこれを機に東京のミュージシャンからレッスンを受講してみたかったから入会しました」と言ってくれる方もいます。


当時は三密の回避策から生まれたオンラインレッスンでしたが、2025年現在は

僕を狭い東京だけでなく全国の色んな方と関われる機会を作ってくれる素晴らしいレッスン形式

だと思っています。是非この機会にオンラインレッスンの受講も検討してみてください!

次回は続編としてオンラインレッスンの【受講生は何を準備したら良いのか】について紹介していこうと思います。ぶっちゃけスマホと普通のwifiがあればレッスンは受けられますけどね(小声)。


ここまで長い文章だったにもかかわらず閲覧いただき、ありがとうございました!

河野祐亮

【河野祐亮ジャズスクール】

東京都板橋区 ジャズピアノのレッスンを中心に音楽を楽しめる教室です。小竹向原駅徒歩3分。

ジャズピアノ、クラシックピアノ、キッズピアノなど皆様の演奏してみたい音楽に合わせてレッスンをしています。オンラインレッスンにも対応しています、無料体験レッスン受付中ですので気軽にお問い合わせください。

2014年秋にNYから帰国して2025年現在に至るまで、およそ300名ほどの生徒様にレッスンを行なってきました。多くの方が他の楽器と演奏できるようになったり、ライブ活動をするまでに成長してくれました。中にはプロミュージシャンになってくれた方もいます。現在生徒数は80名ほど在籍していますが、入会希望者の半分はピアノ未経験の方や初心者の方ですのでどんな方でも大歓迎!人生の趣味として長く続けて いきたい方、大人の社交の場としてジャズをみんなでアンサンブルするなんていかがでしょうか。

全てのレッスン受講生を全力でサポートしています!レッスン生を募集しています、いつでも気軽にお問い合わせください。

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東京のジャズピアノ教室 河野祐亮ジャズスクール

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